2012 年 9 月 のアーカイブ

平成24年度「仏教成人大学」教養講座

2012 年 9 月 3 日

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   仏教への理解を高め、
   お念仏の信仰を深めるために、
   浄土宗東京教区教化団が開く
   教養講座です。

  (各回共通)
  時間:13:00~15:45
  場所:大本山増上寺三縁ホール
  受講料:各回とも1000円
  お問合せ・申し込み:
    東京教区教務所まで

(↑「申込書」 詳細は画像をクリックして下さい。拡大します)

≪各回講座紹介≫
第1回 9月11日(火)「法然上人二十五霊場めぐり」
  巡礼研究家
  元 知恩院史料編纂所嘱託編纂員
   山本博子 先生

第2回 10月17日(水)「荘厳と漆」
  漆芸家・重要無形文化財保持者(蒔絵)
   室瀬和美 先生

第3回 11月20日(火)「伝統芸能に見る信仰-歌舞伎と仏教」
  アナウンサー・伝統芸能解説者
   葛西聖司 先生

今月の法話(9月)

2012 年 9 月 1 日

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  「9月を迎えて」


   福田行慈 (江東組本誓寺)

 皆様こんにちは!今年の夏も厳しい暑さが続きましたが、皆さんお元気でお過ごしでしょうか。私は7月のお盆が終わったあと、熱中症になり目まいが続きましたが、点滴を受けてどうにか回復いたしました。
 ところで皆さんも「熱中」は「熱中」でも「熱中症」ではなく、ロンドンオリンピックに「熱中」されたことでしょう。時差の関係上、深夜・明け方のテレビ観戦で寝不足が続いたのではないですか?アスリートたちの真剣な動きを見ていると、ついつい時間の過ぎるのも忘れ見入ってしまいます。

 それにしても、早いもので今年も残り三分の一となってしまいました。9月は秋のお彼岸です。皆さんの多くは「お彼岸」と聞くとすぐに「お墓参り」を頭に浮かべるのではないでしょうか。そろそろご家族でのお墓参りの日程を考えていらしゃっることでしょう。

 さて、私たち日本人が当たり前に行っているお彼岸の行事ですが、春秋のお彼岸に墓参や法要を行っているのは日本独特の習俗であって、インド・中国などの国々では行われていなかったようです。

 太陽崇拝により「日の願」から「日願(ひがん)」となったという説や、春秋に渡り鳥が往来することから「飛雁(ひがん)」となったという説など諸説ありますが、仏教では川向こうにある理想の世界を「かなたの岸」すなわち「彼岸」と称しています。

 今から1300年ほど前の平安時代の初め、全国の国分寺において行われた、春分・秋分の前後3日の7日間「金剛般若波羅蜜多経」を読経する法会が文献上の初見と言われております。「波羅蜜多」は「到彼岸」の意味で、迷いの世界(此岸)から煩悩の流れを渡って悟りの世界(彼岸)に到達することです。

 この法会は桓武天皇の弟、早良(さわら)親王の怨霊を鎮めることが目的であり、天皇は親王の霊が速やかに到彼岸することを願ったのでした。旧暦2月・8月(現在の3月・9月)の春分・秋分の日は吉日とされ、この日に善行を修すと所願成就が叶うと考えられ、過去に犯した罪を懺悔する懺法(せんぼう)や心身を清める潔斎などを行ったり、法会を営み読経するなど、行いを正しくする日がお彼岸であったようです。

 ところが、浄土教信仰が高まるにつれて、彼岸は阿弥陀さまのお浄土(西方極楽浄土)であると考えるようになりました。ことに太陽が真西に沈む春分・秋分の日、夕陽の沈むかなたに極楽を観想し、浄土に生まれたいと願うことが、お彼岸の意義として定着していったのです。大阪の四天王寺では、寺の西門が極楽の東門(入口)であるという信仰が起こり、多くの信者が集まる聖地となりました。

 ところでお彼岸のお墓参りの習慣はいつ頃から始まったのでしょうか。そもそも現在のようなお墓は、江戸時代中期以降に始まったと言われています。檀家制度によって菩提寺と檀信徒の関係が結ばれるようになってからのことと思われます。お檀家さんたちはお寺に参詣し、僧侶の法話を聴き、お墓参りすることによって、日常の生活を反省して身も心も浄め、さらに亡くなった人たちを偲ぶことがお彼岸の習わしとなっていったのでしょう。

 浄土宗のお彼岸は、亡くなった両親や連れあいなど有縁の人たちや祖先がいらっしゃる「彼岸」すなわち極楽浄土に想いを馳せて、自らも必ず浄土に生まれたいと願うことです。そのためにお彼岸の一週間は、できる限り心を落ち着かせ、自身を見つめ直して、より良い自分になれるよう努力し、日々お念仏を称えて阿弥陀さまのお慈悲をいただくことが肝要かと思います。もちろんお墓参りも大切ですが、墓参の前に必ず、ご本尊の阿弥陀さまにお参りするように心がけましょう。

 現代は日常の季節感が薄れがちで、すべてにおいて簡素化が進んでいる世の中になりつつあります。せめてお盆やお彼岸など季節の行事はきちんと行って、子孫に伝えていきたいものです。

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