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今月の法話≪東京教区所属の僧侶による法話を連載いたします≫

今月の法話 平成25年8月

2013 年 8 月 1 日

satoshojin


  「声が、気持ちが、響き合う」


   佐藤 正仁(玉川組 慶岸寺)



 お互いの気持ちが通い合う…… ぜひ そうありたいと思いながら、なんと難しいことなのでしょう。
 近くにいるから、いつも一緒にいるから、気持ちは通じ合っているはず…… と思いながら、残念なことに そうでないことがあります。
 ましてや ふだん離れて暮らしている方、さらには、同じアジアの近隣にありながら国を異にしている方、また、遠く離れた国の方…… こうした方々と思いが通じ合うことは なかなか難しいことなのかもしれません。
 身近での出来事や また いろいろなニュース・報道などを見聞きするたびに そのようなことを感じている昨今、ご縁があって、エスコルタという男性3人ヴォーカルグループの歌を 間近で聴く機会をいただきました。
 それは「ひとつの空」という曲で、「NPO法人 アジア太平洋こども会議・イン福岡」等によって製作されている映画の主題歌にもなっています。
 ……国、言葉、文化など、世界にある様々な“違い”。お互いに認めあえればなくなる違いでも、時として人の“思いやり”の心を奪っていきます。……地球の未来をつくる全ての子どもたちへ伝えたい、世界の架け橋となる“思いやり”の心 ……
 この映画の趣旨が このように紹介されていました。
 「ひとつの空」の曲を 間近で聴いた時、歌を 歌い手の目の前で 直接に聴かせていただける ということは素晴らしいことだなぁ と 改めて感じました。
 歌い手の想い、作詞家の考え……等々が、「歌」を通じて 直に伝わってきたからです。歌が 声が 私どもの体の中に 直接 響いてくる、そのような感動を味わうことができました。
 ことに 今回の歌は ご縁があって 私どものお寺の本堂内で歌っていただいたものですから、なおさら そのように感じられたのでしょう。歌を聴きながら、お念仏と同じだなぁ……ということも感じていました。
 法然上人がおっしゃった「南無阿弥陀仏」と声に出しておとなえするお念仏。このお念仏の声が 響き合い、法然上人のお気持ち、阿弥陀さまのお慈悲の思いが 私どもに直に伝わってくるのです。
 これは もちろんお一人でおとなえしても そのように感じられます。自分の口から出た声が 自分の耳から改めて私の体の中に入り、響き合います。また、私どもの体の中に 直接に響く声もあります。
 他の方とご一緒にお念仏をおとなえする時には、その思いが いっそう強くなります。
 お寺での法要の際などには、どうぞご一緒にお念仏をおとなえください。お互いに 声に出してお念仏をおとなえすることによって、心地よい響きの中に身をゆだね、法然上人のお気持ち、阿弥陀さまのお慈悲の思いを 同じく感じることができます。
 そのことが、お互いの気持ちが通い合うことにもつながっていくのではないか と思うのです。

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