平成25年度 第1回研修会報告

平成25427()に、当会の研修会を開催いたしました。講師には、大阪教区生玉組の圓通寺副住職で、知恩院宗学研究所の嘱託研究員をされております安達俊栄先生をお招きし、「追善回向の根拠と伝え方」という題でご講義をして頂きました。

教義面からすると、往生を遂げた人に対して追善回向は不要ですが、往生していない場合を考え、私たちは葬儀、中陰、法要などを行うことになります。このような追善回向についての根拠、前提を提示した上で、伝えていく上での基本姿勢などをわかりやすくご説明くださいました。先生がお話しくださったことの要点は以下の通りです。

1,あくまで自らの念仏によって自らの往生を目指すというのが基本ではあるものの、檀信徒の多くが先祖供養のための念仏を称えている。そのような先祖供養の念仏を入り口として、本来の念仏へ導いていくことが肝要。

2,たとえ亡者を救おうとする場合でも、追善回向ではなく、還相回向の方が望ましい。

3,追善回向に言及した法然上人の法語はわずかにふたつ。これが史料として確かなものだとすれば、法然上人も追善回向の念仏を認めていたことになる。

最後に、法話の際にどのように伝えるか、通夜、中陰、年忌法要を想定して実際に法話をしてくださいました。目指すは回向の念仏から、自らの往生の念仏へのシフトということです。具体的に先生は、通夜において回向の話をし、年忌法要では自分の往生のための話をすることでそのように仕向けることを提案されていました。

時間の関係で質問の時間はございませんでしたが、大変貴重なお話を聞くことができました。

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