浄土宗東京教区教化団

平成27年12月「ご詠歌(えいか)のはなし」古宇田順一(江東組西光寺)

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「ご詠歌(えいか)のはなし」

古宇田順一(江東組西光寺)




 南無阿弥陀仏 大本山増上寺様では毎年4月初旬に御忌大会(ぎょきだいえ・法然上人の忌日法要) が執り行われます。その中で御忌詠唱(えいしょう)奉納大会も開かれ、わたくし
の所属します江東組詠唱会も毎年参加奉納させていただいております。
 全国各地より多くの檀信徒様が集まり、奉納大会の為に日々一生懸命練習し、お唱えする姿は本当に美しく頭の下がるおもいでございます。
 もしお時間とれましたらぜひご見学ください。
 そもそもご詠歌、ご和讃(わさん)とは法然上人の御作やお経をわかりやすく説いて節(ふし)をつけて歌にしたものでございます。詩にメロディーがつくと俄然親しみやすくなります。お風呂でも歌えます。

 浄土宗の宗歌は「月影のご詠歌」( 法然上人御作) と申します
   つきかげの いたらぬさとはなけれども 
           ながむるひとの こころにぞすむ

 夜の月あかりは山にも里にもくまなく照らしています。それと同じように阿弥陀さまの慈悲の光は世界を照らし、お念仏する人々をすべてすくいとります、という意味です。
 インターネットで「月影のご詠歌」検索するとyoutube にでてきます。

 また私がお通夜でお唱えするご和讃が「光明摂取」和讃です。
 
1  人のこの世はながくして かわらぬ春とおもいしに
   無常の風はへだてなく はかなき夢となりにけり
2  あつき涙のまごころを みたまの前にささげつつ
   ありしあの日のおもいでに おもかげしのぶもかなしけれ
3  されど仏のみ光に 摂取されゆく身にあれば
   おもいわずらうこともなく とこしえかけて安からん
   南無阿弥陀仏 阿弥陀仏
   南無阿弥陀仏 阿弥陀仏

 私自身はけっして歌はうまいとは思いませんがゆっくり丁寧に大きな声でお唱えさせていただいております。
 今さらながら、私のような者にご指導いただく先生に出会えたご縁に喜び感謝でございます。
 詠唱会の練習では一番最初に信条を皆様でお唱えして始まります。

 私たちはこの詠唱を通じ
一 あつく三宝を敬い、仏祖の恩徳に報います。
一 元祖法然上人の教えを体し、この道の興隆に励みます。
一 互いに助け合い、念仏をよろこびます。
一 自らのつとめにいそしみ、家庭の平和を念じます。
一 広く同信を募り、社会の浄化につとめます。

 一日一日を大切に、生きとし生けるすべての人々が幸せでありますように、お念仏の生活を送りたいと思います。  南無阿弥陀仏 
                                    合掌